
工作機械受注26カ月ぶり前年比プラス
MECTは満小間で募集終了
日本工作機械工業会(日工会)が12月9日に発表した11月の工作機械受注実績(速報値)は、前年同月比8.0%増の882億2200万円で26カ月ぶりに増加に転じた。単月では11カ月ぶりに850億円を上回った。中国を中心に外需が大幅に伸び、低迷する内需を補った。12月も新型コロナウイルス感染症の再拡大が懸念されるものの、日工会の年間見通し8500億円を超えることがほぼ確実となった。
今年10月に名古屋市で開催予定の「メカトロテックジャパン(MECT)2021」は、昨年11月から始めた出展の募集を、12月14日に締め切った。想定を上回る出展申し込みを受け、主催者が「会場の収容能力を超える」と判断した。
新型コロナの拡大は、国の内外を問わず製造業の設備投資を先送りした。中国経済の復調をきっかけに、スマートフォンや自動車などの幅広い業種で需要回復が続き、外需全体をけん引した。中国での需要回復を底堅いと判断し、国内でも投資再開へとかじを切った形だ。
NSKが買収でCMS事業本格化
日本精工は12月10日に記者会見し、英国の計測機器メーカーのスペクトリスから状態監視システム(CMS)事業を今年3月に買収する契約を結んだと発表した。買収額は約211億円。
スペクトリスはブリュエル・ケアー・バイブロ(BKV)ブランドでCMS事業を展開する。BKVでは状態監視の装置やセンサー、ソフトウエアの製造と販売、状態監視サービスなどを提供する。欧州を中心に風力発電や石油、ガスの分野に強く、回転機械のCMS市場のパイオニアで、タービンやコンプレッサー、発電機などの回転機械向けの設備保全や状態監視ソリューションの世界的なサプライヤーだ。
日本精工の内山俊弘社長(=写真)は「まずはCMS事業を社長直轄のプロジェクトとする。BKVの事業を2019~21年度の第6次中期経営計画で掲げた『CMS事業の構築』の土台とし、軸受けやボールねじの故障診断や寿命診断を起点に、CMSのサービス化を含めた事業を本格化する。サービスが充実していないと、モノは売れない」と意気込む。
マザック、IoTサービスを3年間無料で提供
ヤマザキマザックは、最新型CNC装置「MAZATROL Smooth(マザトロール・スムース)Ai」の搭載機種で、昨年12月以降に販売した分を対象に、総合サービス「Mazak iCONNECT(マザック・アイコネクト)」を3年間無料で提供する。
同サービスはモノのインターネット(IoT)技術を駆使して顧客の生産性を高めるクラウドサービス(=写真)。パソコンやスマートフォンから専用のポータルサイトにアクセスすれば、機械の稼働状況を遠隔で確認したり、各種生産支援ソフトウエアを購入前に無料で体験したりできる。今年1月には回転工具主軸の状態を定期的に診断する機能「ミル主軸パフォーマンス診断」を追加するなど、今後も機能拡充に取り組む考えだ。
最近は新型コロナウイルス禍の影響で、遠隔支援へのニーズが高まった。同社はこれを受け、従来は有償だった専用の通信機器を対象機種には標準で搭載し、顧客が同サービスを3年間無料で使えるようにした。
工作機械受注26カ月ぶり前年比プラス
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