顧客への訪問や展示会の開催がままならない新型コロナウイルス禍中で、決定的に不足するのはメーカーやユーザー間の情報交換だ。そこで本特集では、工具メーカー各社の一押し製品の、ターゲットや強み、開発背景などを分析、整理して紹介し、情報収集の場を作り出す。工具メーカーからユーザーへの提案だけでなく、ユーザーからメーカーへの要望、工具セールスの現況にも触れる。進化する現代工具の狙いはどこにあるのか。
●雑誌:
定価1,210円(本体1,100円+税10%)
●電子版:
定価935円(本体850円+税10%)
顧客への訪問や展示会の開催がままならない新型コロナウイルス禍中で、決定的に不足するのはメーカーやユーザー間の情報交換だ。そこで本特集では、工具メーカー各社の一押し製品の、ターゲットや強み、開発背景などを分析、整理して紹介し、情報収集の場を作り出す。工具メーカーからユーザーへの提案だけでなく、ユーザーからメーカーへの要望、工具セールスの現況にも触れる。進化する現代工具の狙いはどこにあるのか。
2020年12月号
SPECIAL FEATURE
顧客の超時短戦略を助ける
5分前の世界
JIMTOFオンライン開催
新社長 高広工業 菅沼哲郎さん
国内/海外
2020年《月刊生産財マーケティング》総目次 1月~12月号
JIMTOF前にウェブ展活況
コロナ禍でペーパーレス化に拍車
マキノが切削以外を開拓
レニショー、名古屋オフィス移転から1年
MSJの開発凍結
スウェーデンの雄2社、ソフト会社を相次ぎ買収
世界の識者がコロナ後語る
【メキシコ市場分析】米新政権とUSMCAに注目
[ロボへの道も一歩から Case.1-①]
やっぱりコロナはキツかった サンエース編
川崎重工業がロボットを使ったPCR検査システムを開発
仕事と設備が人を育てる
名古屋大学 大学院情報学研究科
教授 大岡昌博 氏
シオン/ナノキュール STS-4N 改
高懐~気高い思想(第9回)
スギノマシン 会長 杉野太加良
50周年迎えた年にMC開発
告知板
Monthly Data Box
新製品プレビュー
統計マンスリー
FA短信
海外短信
・マザック美術館、廃材使った作品の企画展
・ 3社協業で協働ロボのショールーム開設
・DMG森、ドイツで自動化モデル工場稼働
・日工大工業技術博物館の特別展開催
・ユアサ、リアル×VRの展示会を開催
・記者発表でSW2021の機能を紹介
・OSG、新城工場を30年ぶりに大規模刷新
「JIMTOF2020 Online(オンライン)」が11月16日~27日の12日間、ウェブ上で開催された。新型コロナウイルス感染症拡大の影響で開催中止となった「第30回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2020)」の代わりに開かれ、国内外から393社が出展した。
事前登録制で、トップページは工作機械や鍛圧機械、工作機器、機械工具などの製品カテゴリー別に9つのエリアに分かれる。名刺交換やチャット、アンケート機能もあり、出展者と来場者が双方向でコミュニケーションを図れる。出展者のブースでは、各社とも動画や写真、説明文を通じ、新製品や注力製品をPRした(詳報は次号)。
また、出展者各社は独自のウェブ展示会も同時に開催した。DMG森精機は「DMG MORI オンラインテクノロジーデイズ」を開き、対面型の展示会では設置するのが難しかった大規模な自動化システムなどを詳しく紹介した。オークマは「ウェブ・オークマ・マシン・フェア」を開催し、新製品を含む20機種を一堂に披露した。
JIMTOFの他にも、台湾国際工作機械展(TMTS)も11月10日からウェブ上で開かれた。
オーエスジーは愛知県新城市の新城工場を、デジタル技術を駆使して多品種少量生産を実現する「NEO(ネオ)新城工場」(=写真)としてリニューアルした。10月2日に全ての工事が完了した。国内のマザー工場の大規模刷新は約30年ぶり。
長年培った匠の技や研削加工技術に、最新のデジタル技術を組み合わせ、超硬ドリルや超硬タップ、ハイスドリル、ハイスエンドミルを月当たり5400種類、7700ロット生産する。最大で月産6000種類、8000ロット、70万本以上の生産能力を持つ。約600人が勤務する。
同社は、生産工程のさまざまな情報をデータ管理システムに一本化してつなげるプロジェクト「OSG4.0」を進めており、同工場にはそれを具体的な形で取り入れた。生産や品質、設備保全の情報をデジタル化し、生産の無駄の削減やトレーサビリティーの確保、予知保全につなげる。また、設備稼働率を上げるために砥(と)石や治工具、プログラムの一括管理を実施し、新しい生産管理システムも導入した。
DMG森精機は10月19日、欧州最大の生産拠点であるドイツのフロンテン工場内に「monoBLOCK(モノブロック)エクセレンスファクトリー」を新設し、稼働したと発表した。
5軸マシニングセンタ「モノブロックシリーズ」などを生産する工場で、広さは約4000㎡。自動化とデジタル化のモデル工場として、最新鋭のシステムを導入した。自動化では、生産中の機械を搬送するのに無人搬送車(AGV)を採用した(=写真)。毎分45mmの速さで次のステーションまで自動で移動できる。1台当たりの生産リードタイムを10日以上から7日に短縮し、生産性を30%高めた。これにより、年間の生産能力は従来の600台から1000台まで向上した。
デジタル化では、プログラミングの専門知識がなくても製造支援システムを構築できるデジタルツール「TULIP(チューリップ)」を導入した。分かりやすい作業指示で人的ミスを減らす。さらに作業実績や機器の稼働状況などをリアルタイムで可視化して工程改善につなげる。