
10年ぶり5000億円割れ
20年上期4割減、回復兆しも
日本工作機械工業会(日工会、飯村幸生会長)が発表した国内工作機械メーカーの2020年上半期(1~6月)の累計受注額(速報値)は、前年同期比39.9%減の4100億円で11年ぶりの低水準だった。半期で5000億円を割り込んだのは10年上半期(4409億円)以来で10年ぶり。
今年は新型コロナウイルス感染症の世界的大流行に振り回された。上半期の受注額が8割減ったリーマン・ショック時の09年上半期(1481億円)と比べると、落ち込みは相対的に小さかった。
日工会が発表した6月の受注額は前年同期比32%減の672億3400万円で、減少幅は5月(52.8%減)から大幅に縮小した。前年割れは21カ月連続だが、中国をはじめ欧米でも経済活動が再開し、受注につながった。
外需は28.4%減の438億6500万円で減少幅は5月(49.8%)より縮んだ。内需は38%減の233億6900万円で、外需と同様に減少幅は5月(57.4%)より縮んだ。
飯村会長は「受注額は直近3カ月の営業成果とみる。3~5月の成果となる6月の受注額に注目する。この辺りが底で8月頃に受注が反転」との見通しだった。想定よりも2カ月早く需要回復の兆しが見えたことになる。
太陽工機、加工実証の施設を開設
太陽工機は7月6日、新潟県長岡市の本社工場に「研削技術研究所」(=写真)を開設した。面積は228㎡で、投資額は非公表。開設に合わせ、社内の幅広い部署から優れた人材を集め、研削加工技術を専門で研究する組織も設けた。加工ノウハウを研究所に集約し、新たな技術を追求する。当初は4人で運営する。
研究所には、主力の立形複合研削盤「CVG-6」や同「Vertical Mate(バーティカルメイト)55」、産業用ロボットを取り付けた超小型立形研削盤「USG-2CL」など、計6台を展示した。専門知識を持つ専属スタッフがテストカットに応じ、より高度な顧客の課題にも解決法を提案する。研究所はショールームとしても運用し、実機の見学も受け入れる。
また、研究所は教育施設の役割も果たす。当面は従業員向けに各種トレーニングを実施する。将来は、顧客向けの教育プログラムやセミナーも開催する計画だ。
NTN、絶滅危惧種「ミヤマシジミ」羽化に成功
NTNは6月2日、環境省のレッドリストの中で、近い将来に絶滅する危険性が高い「絶滅危惧IB類」に指定されるチョウのミヤマシジミの羽化に成功した。長野県箕輪町の長野製作所の敷地内で羽化が確認された。
環境保全に取り組む同社は昨年、長野県と「生物多様性保全パートナーシップ協定」を締結し、同製作所でミヤマシジミの保護活動を始めた。自然保護団体や信州大学の指導で、従業員自らが同製作所に設けた保護区の整備や草刈り、食草のコマツナギの植樹、産卵試験などを実施した。こうした活動が実り、今年4月に幼虫がふ化し、6月2日に初めて羽化した。これまでに10匹以上の羽化が確認された。
今後は保護区を拡張し、ミヤマシジミが安定して繁殖できる環境の整備に努める。また、将来は地域住民に保護区を公開し、自然環境について考える場を提供する予定だ。
ミヤマシジミは、関東や中部地方に生息するチョウ。幼虫の食草の減少などが原因で、個体数が減少している。
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