2018年 FA業界新年賀詞交歓会の様子

2018年 FA業界新年賀詞交歓会の様子

好況を背景に盛大に開催過去最多となる700人が新年を祝う

ニュースダイジェスト社(ND)が主催する「2018年FA業界新年賀詞交歓会(ND賀詞交歓会)」が1月12日、名古屋市内のホテルで開かれ、過去最多の700人が出席者した。日本工作機械工業会の飯村幸生会長と、月刊生産財マーケティングの八角秀編集長から、くしくも同じ受注額1.7兆円との工作機械産業の見通しが発表された。続くNDマーケティング大賞の贈呈式では、富士機械製造の曽我信之社長が登壇した。

月刊生産財マーケティング 編集長 八角秀

業界展望

月刊生産財マーケティング
編集長 八角秀

 2018年の受注総額は前年比4.9%増の1兆7000億円と予測。外需1兆500億円(前年比5%増)、内需6500億円(同4.8%増)の内訳だ。18年は内外需ともに市場環境は良く、受注は微増すると考えられる。ただし、重要部品の納期遅れを受けて生産が滞り気味。工作機械メーカーの供給力の限界が受注の上限になりつつある。

日本工作機械工業会 飯村幸生 会長

今年の受注見通し

日本工作機械工業会
飯村幸生 会長

 18年の受注見通しは1兆7000億円と予測した。国内は、助成金や優遇税制などの国策、人手不足による効率化需要により、需要のすそ野が拡大している。海外では米国の大幅減税や中国製造2025、インダストリー4.0に伴う需要などが外需を底上げし、日本国際工作機械見本市(JIMTOF)などの展示会がさらに受注を加速させるだろう。

NDマーケティング大賞

NDマーケティング大賞贈呈式

NDマーケティング大賞贈呈式

 第34回NDマーケティング大賞は富士機械製造の曽我信之社長(写真左)に贈られた。贈呈式では、同賞選考委員長の清水伸二マムテック代表・上智大学名誉教授が、富士機械製造の曽我信之社長の授賞経緯を説明。「社長就任以来、強力なリーダーシップを発揮し、自社ブランドを国内外に浸透させた。量産部品の高効率な生産設備を開発し自動車産業の自動化に貢献しながらも、新規事業への進出や革新的な技術開発にも挑戦。売り上げを着実に伸ばして東証一部への上場を果たし、強固な経営基盤を築いた」と語った。
 曽我社長には、ニュースダイジェスト社の樋口八郎社長から顕彰状が、前回受賞した東京精密の吉田均社長最高経営責任者(CEO)(写真右)からブロンズ像が手渡され、出席者から大きな拍手が送られた。

富士機械製造 曽我信之 社長

受賞講演概要

富士機械製造
曽我信之 社長

 富士機械製造は単能機の製造販売で成功し、後に電子部品の自動組み立て機や自動倉庫などを手掛けてきた。その中で電子部品組み立て機「CPシリーズ」や現行の「NXTシリーズ」などのヒット製品が生まれた。NXTシリーズのモジュール型の多機能機というコンセプトを工作機械に転用したのが「DLFn(ドルフィン)」だ。既存技術を応用して常に新たな市場を求め続ける姿勢は今も受け継がれ、プラズマユニット「タフプラズマ」やパブリックストッカー「クイスト」、移乗サポートロボット「ハグ」、小型多関節ロボット「スマートウイング」を事業化した。地域貢献にも力を入れ、現代版の寺子屋「teracoya THANK(テラコヤ・サンク)」を開設して、将来を担う人づくりに取り組んでいる。
 今年4月にはブランド名の「FUJI」へと社名を変更する。まさに産業革命が起こっているこの時代を生き抜くために、お力添えをお願いしたい。

新春トップインタビュー

新春トップインタビュー

テーマ「電気自動車(EV)は工作機械産業に何をもたらすか」

ニュースダイジェスト社の樋口八郎社長の司会の下、日産自動車のEV「リーフ」の開発責任者を務めた門田英稔CVE、ジェイテクトの安形哲夫社長、DMG森精機の森雅彦社長の3氏が議論した。

日産自動車 門田英稔 CVE

強度や剛性が要求される 日産自動車
門田英稔 CVE

 当社はEVに加え、自動運転技術の開発にも注力しています。自動運転技術で重要なのは、事故を減らすということ。社会インフラと組み合わせながらいかにメリットを出していくかを考えていくことが大事です。
 「EVになると部品点数が減る」と言われますが、正直私には何の部品点数の話をしているのか分かりません。EVや自動運転車には、多数のモニターやカメラ、センサーが搭載されます。
 EV化が進むことで、変わっていく技術もあるし、残る技術もあるでしょう。ただ、モーターが今後どんどん小型化し、強度や剛性が必要になればなるほど、加工設備にも強度や剛性が求められます。また、EVは基本的に静かなので、例えばギアのノイズなどは響きやすい。それだけに、歯車の加工精度や剛性は非常に重要です。

ジェイテクト 安形哲夫 社長

EVはビジネスチャンス ジェイテクト
安形哲夫 社長

 EV化の話となると、マスコミなどが「あっという間に内燃機関がなくなってしまうのでは」と論じますが「そんなことはないだろ」というのが自動車業界の感覚です。しかし、今後について明らかに言えるのは①エンジンは減る②モーターは増える③電池も増える――の3つです。
 当社はEVをビジネスチャンスと捉え、各国の自動車メーカーの動向を見ながらニーズを先取りした製品開発に注力します。
 具体的に言うと、ステアリングでは電動パワーステアリング(EPS)が伸びるため、それに対応します。今後は電動式4輪駆動や、油圧を発生させるための電動オイルポンプも増えると思いますので、これらの技術開発を進める必要もあります。軸受けもさらなる小型軽量化を目指します。この他、新規事業の一つとして、トラックなど大型車向けのEPSの補助電源用の「キャパシタ」もこのほど開発しました。
 これらの部品などを加工するための工作機械も今後増えていくでしょう。

DMG森精機 森雅彦 社長

人材教育が課題 DMG森精機
森雅彦 社長

 現在、わが社が直面している契機を3つに分けると「EV化」「AI(人工知能)化」「高齢化」です。まずEV化ですが、2030年から50年にかけて徐々にEV化していくと思われます。そのため、今後しばらくは新しいワークなどが数多く出てくるでしょう。また、それに対応した新工法の開発や、お客さまとのテストカットなどで忙しい状況が続くと思います。
 AI化では、シリコンウエハー由来の半導体チップが今後も多数必要になると思います。高齢化は、今後自動運転や知能化をけん引していく重要な要素です。
 そして、これら3つの契機に対して、製品としては具体的に「5軸化」「複合化」「自動化」の3つを追求します。
 もう一つ、経済産業省が推進する「コネクテッド・インダストリーズ」が進展するにつれ、工場内の生産現場はフルクローズドループになります。すると、末端の工作機械がプログラム通りに動かなければ制御が成り立たなくなるので、工作機械にはさらなる高精度化が求められます。
 さらに、今後は求められるスキルセット(自分が持つ知識や技術)も大変高度になります。それに対応する人材を見つけ、いかに教育していくかが課題です。 (文責:月刊生産財マーケティング編集部)

※ND賀詞交歓会の詳細は、月刊生産財マーケティング2018年2月号に掲載されています

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