2019年 FA業界新年賀詞交歓会の様子

2019年 FA業界新年賀詞交歓会の様子

FA業界から700人が出席底堅い景況下で新年スタート

ニュースダイジェスト社(ND)が主催する「2019年FA業界新年賀詞交歓会(ND賀詞交歓会)」が1月11日、名古屋市内のホテルで開かれ、FA業界各社の幹部ら700人が出席した。今年の工作機械産業の受注見通しについて、月刊生産財マーケティングの八角秀編集長は1.5兆円、日本工作機械工業会(日工会)の飯村幸生会長は1.6兆円との予測を発表した。NDマーケティング大賞の贈呈式では、岡本工作機械製作所の石井常路社長が登壇し、続いて受賞講演をした。

月刊生産財マーケティング 編集長 八角秀

業界展望

月刊生産財マーケティング
編集長 八角秀

 2019年の受注総額は前年比17.6%減の1兆5000億円と予測。内訳は外需8500億円(前年比19.8%減)、内需6500億円(同14.5%減)だ。19年は内外需ともに底堅さを保ちつつ全体としては下押しすると見る。最大のリスクは米中対立。他業界とのコラボレーションや米中依存からの脱却、堅実な経営などがポイントになる。

日本工作機械工業会 飯村幸生 会長

今年の受注見通し

日本工作機械工業会
飯村幸生 会長

 2019年の受注見通しは1兆6000億円。米中の貿易摩擦が起こっているが、国内外の受注環境は悪くない。日本の競争力の源泉である生産設備への投資を活性化させたい。リスクとしては中国経済の減速や米国の保護貿易の進展などが挙げられる。

NDマーケティング大賞

NDマーケティング大賞贈呈式

NDマーケティング大賞贈呈式

 第35回NDマーケティング大賞は岡本工作機械製作所の石井常路社長(写真左)に送られた。贈呈式では、同賞選考委員長の清水伸二マムテック代表・上智大学名誉教授が、岡本工作機械製作所の石井常路社長の授賞経緯を説明。「ボリュームゾーンの重要性を認識し、ハイエンドからエントリーモデルまで幅広いビジネスを展開する戦略や、自動化が難しいとされる平面研削の全自動化にチャレンジする姿勢、いち早く海外に生産拠点を設けた先見性、タイで生産した良質な鋳物が日系工作機械メーカーのコスト競争力強化に貢献してきた点などを評価した」と語った。
 石井社長には、NDの樋口社長から顕彰状が、昨年同賞を受賞したFUJIの曽我信之社長(写真右)からブロンズ像がそれぞれ手渡され、出席者から大きな拍手が送られた。

岡本工作機械製作所 石井常路 社長

受賞講演概要

岡本工作機械製作所
石井常路 社長

 岡本工作機械製作所は1935年に設立され80年以上の長い歴史を持つ。53年に国産初の平面研削盤「PSG-6型」を開発し、68年には世界初のCNC平面・成形研削盤「NFG-5型」を開発。72年以降、国内外に販社や製造子会社を設立し、グローバル化を進めた。
 中でもオカモト・タイには約30年間在籍し、土地探しから立ち上げに深く携わった。97年のアジア通貨危機や2011年の大洪水などの危機を乗り越え、今では敷地面積7万8000m²で、木型、鋳物、加工、板金、塗装、組み立てまで一貫生産できる製造拠点にした。

新春トップインタビュー

新春トップインタビュー

テーマ「時代の転換点を突破する」

ファナックの稲葉善治会長兼最高経営責任者(CEO)、DMG森精機の森雅彦社長、THKの寺町彰博社長の3人が議論し、ニュースダイジェスト社の樋口八郎社長が司会を務めた。

ファナック 稲葉善治会長兼CEO

ファナック
稲葉善治会長兼CEO

わが社の経営戦略
工場全体で生産性向上

 ものづくりが、従来の「モノ」から「コト」へと変わる。これまでは工作機械を購入して物を作ってきた。それが今では、工作機械を購入し所有することに意味があるのではなく、それを動かして物を作り、付加価値を与えるのが重要になりつつある。FA業界では、強い企業ではなく、変化に対応できる企業が生き残る。今後はオープンとクローズ、つまり協調と競争のバランスを考えないと取り残されるだろう。

どうなる今後のFA業界
所有から利用へ

 わが社の経営戦略は基本的には変わらない。「いかに顧客の工場を止めないか」だ。とはいえ、ロボット化やデジタル化は今後の大きなテーマ。ロボット化では、人と一緒に働ける「緑のロボット」のラインアップ拡充に努めている。デジタル化ではIoTやAIを生かし、部分最適から全体最適、つまり工場全体で生産性を高めることを目指す。そのためにも、自社製品だけではなく他社の製品ともつながるオープンなプラットフォーム(基盤)が今後必要になるだろう。

DMG森精機 森雅彦社長

DMG森精機
森雅彦社長

どうなる今後のFA業界
船を磨き上げる

 わが社は昨年、セーリングチームを発足し、2020年に開催されるヨットレースの大会「バンデ・グローブ2020」に挑戦する。自社の商売をヨットに例えるなら、昨年は順風満帆だった。一方、リーマン・ショック後の09年は無風。どれだけ良い船を持っていても、風がないので動かなかった。今年は無風ではないだろうが、風の強さが分からない。そのため、船をピカピカに磨き上げ、何が来ても対応できるよう準備する必要がある。

わが社の経営戦略
スキルセットを変える

 多軸化や5軸化、複合化が進めば、ワンチャッキングで加工できる。ロボットやローダーなどでワークをつかみやすくなり、自動化も進む。自動化で人が不在になるが、誰かが生産ラインを見なければならない。そこで、IoT技術を生かしたマネジメントも必要になる。この一連のサイクルをより加速的に回したい。すると、求められるスキルセット(自分が持つ知識や技術)も今までとは変わる。まずはわが社の社員から、そして顧客のスキルセットも変える必要がある。

THK 寺町彰博社長

THK
寺町彰博社長

どうなる今後のFA業界
FA業界には明るい未来

 モノのインターネット(IoT)や人工知能(AI)などのテクノロジーの変化が新しい時代を築き、マーケットを拡大するだろう。その面では、FA業界には明るい未来がある。しかし短期的に見ると、今年は世界全体でネガティブな情報が多い1年だと思う。一方、日本国内では、主要顧客の各業界団体が、今年も高い水準を維持すると予測している。部品メーカー各社も喜んでいる。逆風は強いが、上手く乗り切りたい。

わが社の経営戦略
ビジネススタイルを変革

 わが社は①グローバル展開②新規分野への展開③ビジネススタイルの変革――の3つの戦略で事業の拡大を目指す。FA業界のマーケットが今後も広がる中、わが社では供給体制の強化に注力している。③のビジネススタイルの変革では従来の対面営業だけではなく、インターネットを使って製品の選定や発注、寿命計算などができるサービス「Omni(オムニ) THK」も開始した。また、18年10月にはLMガイドの予防保全サービス「OMNI edge(オムニエッジ)」も発表した。

※ND賀詞交歓会の詳細は、月刊生産財マーケティング2019年2月号に掲載されています

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