受賞者インタビュー

石井常路

第35回マーケティング大賞

岡本工作機械製作所
社長

石井常路


激動のタイで事業発展

「FA業界一のタイの事情通は?」と聞いて回ったら、恐らくこの人の名前が最も多く挙がるだろう。
岡本工作機械製作所社長の石井常路氏――。
人生のほぼ半分に当たる30年間をタイで過ごした。業界内ではいまだ「オカモト・タイの石井さん」の方が通りがいいかもしれない。
石井氏がタイで過ごした1980年代半ばから2010年代半ばは、タイの経済発展期でもあった。モータリゼーションと自動車産業の集積が急速に進み、2000年代には自他ともに認める“アジアのデトロイト”に。石井氏は「自動車産業の発展が経済に与えるインパクトはこんなにも大きいものか、と痛感した」と当時を振り返る。そんなタイの発展と歩調を合わせるように、岡本工作機械もタイで、世界で、その地歩を固めていった。
決して順風満帆だったわけではない。
1985年には一度目のタイ進出プロジェクトがとん挫。87年に社命を受け、たった一人でタイに乗り込んだ。紆余(うよ)曲折を経ながら、工場の用地探し、政府との交渉を進めた。すぐに終わるはずの出張が、土地探しをしている間に法改正が起きるなど、期間は伸びに伸びる。「夏にワイシャツ一枚で出かけたのに、ようやく一時帰国できたのが12月」。奥さんに成田空港までコートを持って来てもらったのも、今となっては笑い話だ。
まずは現地で調達した鋳物部品の機械加工とユニット組み立てで工場を操業した。数年後には鋳物の内製、次いで機械組み立てと、矢継ぎ早に業容を拡大。97年のアジア通貨危機も乗り越え、2000年代には再投資に動く。鋳物工場、組み立て工場を拡張し、木型工場、塗装・板金工場まで整備した。
「ぐるっと一周すれば工作機械の最初から最後まで、全部の生産工程が見られますよ」と自信を持って語る。
タイ工場で作られた鋳物は、多くの日系工作機械メーカーにも供給されている。良質で価格競争力のある鋳物の調達は工作機械メーカーの生命線だ。単身乗り込んだタイで、業界の屋台骨となる事業を一から築いた功績は称賛に値する。

岡本工作機械製作所
1926年創業。主力の研削盤を中心に複数の分野で事業を展開する。日本、シンガポール、タイ、中国の4カ国に生産拠点を持つ。資本金48億8051万円。東証二部上場。従業員数387人(グループ1950人、2018年3月末現在)。

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